ファンタジーな100のお題 マナ連作 74 二律背反 34 契約 93 罪の記録 |
GRT様(E-No.1682PL)作 |
2004/06 |
ファンブラーズ長編の外伝「この手に掴んだ生命」に登場した、マナが主役の物語です。 三編のお題が、連続した一つのエピソードとされています。 |
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【マナ連作(全3話)】 | ||||
No. | お題 | 著者 | 主要キャラクター | 解説 |
074 | 二律背反 | GRT様 | マナ(1682) | 生命の謎と禁忌 それに触れた者の罪と罰 |
034 | 契約 | GRT様 | マナ(1682) | |
093 | 罪の記録 | GRT様 | マナ(1682) |
二律背反 |
「貸し出しですか? ……でもちゃんと読めるんですか?」 司書は怪訝そうな表情で目の前にいる若い男と机の上に置かれた何冊かの書物を見比べた。 ここはオプシディアン最大の図書館で利用者も多いが、古代の異国語で書かれた書物を読もうという人間はほとんどいない。 「……ええ、大丈夫ですよ。いちおう読めますから」 男はそういうと貸出の申請書を書いて司書に渡した。 「……フィンディアス魔術院のマナ・ミモロさんですか……期間は一ヶ月ですよ」 「補助教師程度であれが読めるのか?」 司書は書物を抱えて去っていくマナの後ろ姿を見ながらつぶやいた。 マナ・ミモロがオプシディアンにやってきてから四年が経過しようとしていた。 数ある学院の中でも高名なアールヴヘイム学院に籍を置き、貴族の子弟の家庭教師をしながら興味のむくままに魔術や科学の研究をしていたが、最近になってフィンディアス魔術院の補助教師の職を得た。 フィンディアス魔術院はアールヴヘイムほど難関ではないが多数の生徒が在籍する大規模な学院であり、マナは初等クラスの少年少女を相手に魔法の基礎理論を二クラス担当していた。 正規の教員ではないので収入は少ないが、魔法学協会の最下層の会員資格を与えられ、宿舎も提供されるなど利点もあった。 「さてと……少々難儀だな」 図書館で借りてきた書物の目次を見ながらマナは呟いた。 書物の内容は「仙道」と呼ばれる古代の異国で行われていた不老不死の術について書かれたものであった。 元々医者の家に生まれたこともあり、マナは不老不死や死者蘇生に関わる書物に関心を持っていた。 書物は現地の古代語で書かれていたが、時間をかければ読めないことはなかった。 マナの祖父は本業のかたわら古代の呪術に凝るあまり、高名な巫女の家系から妻を迎え、マナの父に「真人」という名を付けたほどであり、「真魚」という古代風の名前も祖父の命名である。 今は他界した祖父母から少年時代に古代語の手ほどきをうけていたために、辞書を片手に読めば意味はおおよそ理解できる。 「これは一体どういうことなのだ?」 借りてきた書物を二冊ばかり読んだマナは考え込んだ。 不老不死の薬の主成分はマナの知識によれば猛毒の金属であり、服用しても寿命を縮める効果しかないように思われる。 実際に古代の権力者たちにはこの種の薬で命を落とした者も多数いるとも書物にある。 ならば何故長い年月にも渡ってわざわざ猛毒を不老不死の薬としてのむ慣習が続いたのか? 当時の人々もそれほどに無知であったとは思えない。……では何故? 「おや、久しぶりだねミモロ君。今日はどうしたのだね」 アーヴルヘイム学院のルティリクス教授の部屋は相変わらず散らかっていた。 「いや、研究が少々煮詰まっていますし久々に先生とお話でもしようかと。 お忙しいなら失礼させてもらいますが。」 「ふむ。せっかく来たのだしね……。今は何をやっているのかな?」 「古代の『仙道』といわれていたものを少し調べているのですが、 どうにも根本的なことがわからないのですよ」 「私はまったく知らない分野だが…… そういえば君は古代の異国語なども読めるのだったね。」 「現在我々の間に伝わっている念術や法術とは全然ちがうもののようなのですよ」 「ふむ……専門外のことでもあるし私からは何とも言えないね。 ……それはそうと知りあいの冒険者から古代の文物などをもらってね。 いくつかよくわからないものがあるので見てくれるかな」 ルティリクスは部屋の隅にある木箱からいくつかの紙包みを取り出し、順番に開いていった。 中身のほとんどは派手な色彩の陶器の皿や壷であったが、その中に女性の石像がまじっていた。 「皿とかはいいとして、この像は何か知っているかな? 異教の女神か何かだと思うが……?」 「これは……天女像だと思いますが……。 我々の同族の間ではそれほど一般的ではないですが、 幸福をもたらすとしてあつく信仰している人々もいますね。 ただし女神というのは少し意味合いが違うような気もします」 「なるほど。君が今日来てくれてよかったよ。 ……それにしても表情も姿勢もよくできているというか、動き出しそうな感じもするね」 マナはルティリクスの話を聞きながら天女像を眺めていたが、突然あることに思い当たった。 「そうか、そういうことだったのか」 「……どうしたミモロ君?」 「いや、煮詰まっていたことが解けそうなのですよ。あまり楽しくない結論ですがね。 先生のところにうかがったのはやはり正解でした。」 「うむ、何だかわからんが……研究がうまくいけば そのうち協会で発表したりもするのだろうね。楽しみにしているよ」 宿舎に向かって歩きながらマナは考えをまとめていた。 「仙道」において劇物の金属を不老の薬として服用するのは、当時の人々が無知だったからではないのかもしれない。 そうではなく人間の脆い体を石や金属のようにすることによって、不老長寿を実現しようと考えたのではないか? だが石や金属は人間と違って意思を持たないし動作することもない。 逆に生命のあるものはきわめて脆い。 形の不変を求めようとすれば生命の方が伴わなくなる。 「仙道」が廃れたのもそのあたりが原因だろう。 考えながら歩いているうちにいつの間にか自分の部屋に着いていた。 図書館から借りてきた書物をながめながら、マナはほぼ結論らしいものに到達していた。 「仙道」は姿形の不変を追求するものであったが、石や金属のようになってしまっては生きているとはいえない。 書物の内容と自分の考えを紙に記録しながらマナは呟いた。 「まだ先は長いな。でも結論はあるのか?」 |
契約 |
「あの、マナ・ミモロ先生のお住まいはこちらでしょうか?」 呼鈴の音が聞こえたのでマナは読みかけの本を机に置き、部屋の扉を開けた。 外にはローブを着た少年が立っていた。十代後半といったところで、多分どこかの学院の生徒だろう。 「アーヴルヘイムのブルッケン教授の使いで来ました。 教授はミモロ先生とお会いしたいということで、手紙をことづかっています。」 「……ああ、そうなのですか……。」 マナは慌ただしく頭を動かし始めた。 ブルッケンといえばアーヴルヘイム学院の教授陣の中でも卓越した知識と力量を持つ魔術師である。だが性格が傲慢で独善的で、言動が突飛なために、学院や協会で実力相応の処遇をされているとは言い難かった。 ただしブルッケンの言動に神懸かり的なものをみるのであろうか、学院の生徒の中に一定数の信奉者を集めていた。目の前の若者も多分そうなのだろう。 魔法学協会で「仙道」について発表を行い、協会の発行する雑誌に類似の内容で短い文章を書いたために、一部の物好きな研究者はマナの名前を知るようになっていた。今回の招待もそれに関わりがありそうだ。 「……わかりました。手紙はこれから読むとして、 とりあえず明後日にアーヴルヘイムの方に出向くとお伝えください。」 「君がミモロ君か。師匠はルティリクスなんだそうだな。 ……あの男は博学だが独創性に乏しいのが欠点だな。」 まずは有力な同僚をけなすところから話が始まるあたり、やはり噂通り偏屈で自尊心が高そうだ、と思いつつ、マナは自分を呼びだした老教授を眺めていた。 「……まあそれはいいとして、君が最近書いた文章は興味深いな。 私は現在魔法力や精霊力を利用して死者蘇生や 生物の創製を行うことを研究しているのだが、手伝う気はないか? 私の助手ということで、報酬は出そう。」 マナは少し考えた後に、ブルッケンの助手となることを承諾した。 いっしょに仕事をするには少し面倒そうな相手だが、給与をもらって研究というのは悪くはない。 それから週に二回ブルッケンの研究室に通い、彼に私淑する数名の学生を使って死者蘇生や生物生成に関わる文献を調査・整理する日々が始まった。しかし見つかった文献の多くは魔法学協会が禁止しているネクロマンシー(操屍術・降霊術)に関わるものであり、実際にやってみるわけにはいかないものだった。 マナも文献に目を通してみたものの、死者の肉体のみを復元して使役することを意図し、意思や思考を取り戻すことをそもそも目的としていないネクロマンシーは期待はずれなものであった。ある時作業が終わった後に、マナはそれについてブルッケンに質してみた。 「ふむ……確かに精神が死んだままでは蘇生ではないな。 しかし現時点でわかっている方法ではそこまでだ。」 「だとすればこの種の試みは今の時点では有益ではないということですね。 それに蘇生よりも死者を使役することを目的にしている 書物の方が多いですし、むやみに死者の肉体だけを 復元して操るというのは死者への冒涜だという気がしますが。」 「だが科学の進歩は限りない失敗の後にしか 生じないというのはミモロ君も承知のはずだが?」 「しかし精神を修復するような方法が見つからないわけですから……」 「私もそこはこれまでの研究をふまえていろいろと考えている。」 不機嫌そうな返答にマナはそれ以上追及することをやめたが、釈然としない気分は残った。 助手として働き始めてから二ヶ月ほどたったある日、ブルッケンは研究に関わっている全員を集め、小規模な実験を行うことを告げた。 「簡単な実験だよ。明後日の夜に郊外の私の別宅で行うので、全員きてくれ。」 他の学生たちは特に疑問もなく、面白いものがみられるのだろうと期待している雰囲気だった。 マナもなぜ夜なのかと多少不審に思ったが、それほど深くは考えなかった。 ブルッケンの別宅に着くと、すでに実験の準備が始まっているらしく慌ただしく学生たちが動き回っていた。実験場所は建物の裏手の林の中で、ブルッケンは古めかしい祭壇の前で待っていた。 「ああ、来たか。君には呪文を読むのをやってもらおうと思っていた。 そこの本の開いてあるところだ。」 マナは本を手に取り呪文を数行大まかに読んでみた。死者の肉体を土から合成する呪文である。 「これはネクロマンシーの呪文ではないですか。実験とは屍人の召喚だったのですね。 ……何の成果も期待できないのに禁止されている実験をやるのですか。」 「まずは屍人がどうなっているのか調べる必要があるとは思わないのか? それがわからなければ先に進みようがないだろう。」 「それだけのために死者を弄ぶのは感心しませんね。」 「何? 実験に反対なのか?」 「そのとおりです。」 「……今更なんということを……。」 ブルッケンはしばらく考えていたが、別の学生に代わりに呪文を読むように命じた。 「君も所詮はつまらん常識の虜だったということか。 だが拒否したからといってこの場を去ることは許さん。 私の助手としての契約は今日限りだが、もう君は関わってしまったのだからな。」 マナは学生たちの視線を感じながら非常に嫌な気分になっていた。仕事を始めた時点でこうなることは予想しておくべきだったのかもしれないが、意味があるように思えない実験のために魔法学協会の規則を破る者がいることは想像もつかなかった。 遊学の旅に出て以来、数多くの書物を読んできたが、他人の思考には自分の理解を超えた部分がある。 呪文の声は続いている。地面の一部が盛り上がってきた。もう取り返しはつかないようだ。 |
罪の記録 |
オプシディアン郊外の林の中。協力を拒否したのもむなしく、実験は進行していく。 呪文が進むにつれて地面が盛り上がり、人の形をしたものが徐々に姿を現し始めていた。 マナが様々な負の感情をないまぜにした気分で他の学生に混じって見つめていると、それは立ち上がった。屍人の召喚は成功したようだ。 「さて、では屍人がどうなっているのか調べよう。」 そういうとブルッケンは屍人に近づいていった。 その直後に屍人はうなり声を上げ、呪文を読み上げていた学生を右手ではね飛ばした。学生は弾き飛ばされて木の幹にぶつかって動かなくなった。首が妙な形に折れ曲がって口から血が流れている。屍人の方も右手が変な形にねじれ、骨が肉から飛び出していた。 「なぜ暴れるんだ? ……魔法力が足りなかったのか?」 ブルッケンはマナを忌々しげに一瞥し、屍人を制御しようと呪文を唱え始めた。様子を見ていた学生の間にも動揺が広がっている。 呪文が終わるよりも早く屍人はブルッケンに襲いかかり、左手で首を絞めた。ブルッケンの口から絶叫と喉の潰れる音が入り混じった嫌な音が漏れる。 その音を聞いてようやくマナは我に返った。実験は失敗したようだ。屍人を止めなければならない。 手早く攻撃呪文を屍人に向けて放った。二撃目くらいから他の学生も知っている呪文を屍人に向けて撃ちはじめる。呪文の攻撃で形が崩れながらも屍人はマナの方に向かってきたが、襲い掛かる前に火属性魔法を受けて崩れ落ち、何かの塊になった。 二つの死体と燃えている屍人だったものを前にして、マナと学生たちは気が抜けたようにその場に立ち尽くしていた。 オプシディアンの中心部にある魔法学協会の建物の一室。そこでマナは呼ばれるのを待っていた。 ブルッケンの別荘での事件から一週間が経過していた。死体と実験の痕跡は協会によって処理され、その場にいた者は隔離されて事情聴取が続いた。今日実験に立ち会った者の処分が決まる。 自分の行動は中途半端だったのだろうかとマナは考えていた。 当日の事件を考えると、多分儀式を行った学生の魔法力が足りないことが原因で屍人の召喚が不完全なものとなり、事故で二人死ぬことになった。 自分が協力していれば実験は無事に終わったのだろう。あるいは実力行使で実験を止めるべきだったのかもしれないが、多勢に無勢ははっきりしていた。 常識や正義感を中途半端に持ち、中途半端に持たなかったせいでこのような結果になってしまったというところなのか。 あれこれ考えているうちに係官に名前を呼ばれた。 係官に連れられて、マナは魔法学協会の上層部が集まる部屋に入った。十数名の人間が自分を取り巻いて座っている中に、かつて師事したルティリクスの顔も混じっていた。 「ブルッケン邸での事件について、マナ・ミモロに対する処分を通告する」 正面に座っている協会幹部が文書を読み上げた。 「事件の経過についての当事者の証言を踏まえた審理に基づき、 魔法学協会は以下のような処分をマナ・ミモロに下すものとする。 処分は魔法学協会からの除名と アーヴルヘイム学院・フィンディアス魔法院での職からの免職である。」 これは行ったことからすると重いのか軽いのか。マナは通告を聞きながらふとそう考えた。 「……今回の事件はほぼブルッケンの独断によるものであると我々は判定したが、 それでも実験に関わった者には何らかの処分を行わねばならない。 学生たちは全員所属の学院から退学になった。君についても酌量の余地はあるが、 それでも処罰はなされなければならないという点で我々は一致したのだよ。 君には期待していたので、こういう結果になって残念ではあるが。」 ルティリクスが付け加えるように口を開いた。 「マナ・ミモロ、何か述べることは?」 「……ありません。」 「それでは処分はこれで確定したものとする。 なお今回の事件については公式の記録には残さないし公表もしない。 では退出しなさい。」 魔法学協会による隔離からは解放されたが、オプシディアンにはいられなくなった。職を失ったのはまだしも、協会を除名されたのではここでは研究さえできない。 とりあえずは自分の技能で生計を立てつつ、各地を回って研究するしかなさそうだ。 そういった事情でフロースパーに移住し、冒険者相手の仕事を始めることにした。主な仕事はギルドに提出する文書の作成代行だが、実家で習った医者の技術で簡単な治療も行う。冒険者がらみの職業は需要があり、生活には困らない程度には仕事はあった。 そうこうしているうちにかつて治療したことのある老戦士と再会し、マナ自身も冒険者となっていくつかの依頼をこなすようになっていた。 アズユール地方での仕事が終わり、フロースパーで日常の仕事をしていたある日、ルティリクスから手紙が届いた。内容は魔法学協会からの呼び出しである。商人の護衛に行くという仲間と別行動で、マナはオプシディアンに向かった。 「元気そうでなによりだ。今回の用事だが、協会は君の除名処分を解除することにした。 ただし少々条件があるようなのだがね。」 久しぶりに会ったルティリクスに伴われて、マナは魔法学協会の一部屋に案内された。 部屋の中には数人の協会幹部がおり、入ったすぐのテーブルには魔法学協会の会員であることを示す紋章がおかれていた。 「マナ・ミモロ君だね。一昨年の事件は君にとって不幸な出来事だったようだが、 我々はこのたび君を再び協会に迎えようと思う。」 マナは話している幹部をじっと見ていた。 「その代わりというのもなんだが、少々頼みごとがある。 このところナベリウス北西部で屍人を目撃したという話が多いのだよ。 あのあたりで誰かがネクロマンシーを行っているということなのだろうが、 それよりもさらにまずい事態も想定される。 我々が用いている魔法とは別の体系の魔法を使っている者がいるのかもしれん。 それについての調査を、冒険者としての実績もある君に依頼したい。」 禁令を破る者を処罰しなければならないが、協会自らがやれば犠牲も出る危険がある。それで外部に依頼するということか。しかもかつてメンバーだった自分に復帰と引き替えに依頼すれば秘密も維持できるというところなのだろう。 協会もご都合主義だが巧妙だな、とマナは話を聞きながら思った。それと同時にいまだに無益なネクロマンシーを行っている者がいることに呆れと怒りのないまぜになった感情も起こってきた。 「……わかりました。調査に行ってきましょう。 術者を発見した場合にどうすれば?」 「儀式に必要な道具などは全て破壊してもらいたい。術者は無力化すればよいが、 抵抗したり危険だったりした場合には始末することになるだろう。」 「……そうですか。」 「依頼は表向きは道路事情の調査ということにしておく。 現地について三日間探索しても何も発見できなければ、 調査を打ち切ってもかまわない。ともかく君が依頼を受けてくれてよかった。」 「……今はこれが仕事ですので。それではギルド経由で依頼の文書をお願いします。」 マナは紋章を手に部屋から出て、ルティリクスに送られて帰途に着いた。 面倒な依頼だが、今の仲間の能力ならやれないことはない。ただ多少の下準備は必要だし、仕事の本当の内容についてもあらかじめ知らせておいた方がいいだろう。黙って連れ出すのではかつてのブルッケンと同じになってしまう。 マナがフロースパーに戻ったときには、すでにギルド宛に道路事情の調査の依頼が来ていた。ギルドから戻ると、マナは護衛から戻っていた仲間を自宅に呼んだ。 「さて、仕事の依頼を見つけてきました。 表向きは辺境での道路事情についての調査なのですが…… 多分それだけではなくてちょっと面倒なことになりそうなのですよ……。 今から説明する話を聞いてください……。」 |