キャラ掲示板ログ
「苦悩と誓い」
【ファンブラーズ専用】
【2004/04/01〜2004/04/17】


オーク退治終了後……今だ、苦悩は続く
スラーヴァ ――オーク退治のクエスト終了後、フロースパーへと帰還した“手探りで進む者たち”。
その翌日、宿の一室にて一人思い悩むスラーヴァ。

(今回の仕事……結局俺は何もできていない……。
 ただ、前に立つだけが前衛の役割じゃないはずだ。
 皆を守りたい……でも、今の俺にそれができるのか……?)

――ふと、部屋の片隅へと視線を向ける。
そこには、一振りのシャムシール。
今は亡き親友の残した、かけがえのない剣。
それをゆっくりと手に取る。

戦士になろうと決意した時、彼はまず剣技を修めようと思った。
この剣を受け継ぐために。
……しかし、それはスラーヴァの手に余る武器だった。
逆に剣に振り回され、使いこなす事が出来ない。

両手の中の剣の重みが、彼を余計に追い込んでいた。

「……すまない、グレン……!」


――誰もいない虚空へと呟き、剣を手に部屋を出るスラーヴァ。
他のメンバーが気付いた時には、彼の姿は宿のどこにもなかった。
晴れていたはずの空がにわかに曇り、雨が静かに降り始めていた。
E-No.633
婆と孫(?)、来客を迎える
ローラ
キャロライン
――スラーヴァが思い悩んでいる頃。
ローラは日課である地図のチェックをしながら、
キャロラインに思い出した様に問いかける。

ローラ「……ところでぇ、スラーヴァのぉ様子がおかしいと思いませんかぁ?
    豚さん退治の後からぁ、何かぁ考え込んでいるみたいですしぃ。」

キャロライン「……そうだね。私も何か思い悩んでる風に見えた。
       穴に落ちて戻って来てからずっとそんな感じ。
       怪我をしたって訳でも無さそうだし、どうしたのかな〜?」
医学書を読んでいたキャロラインは、頭を上げそう答えた。
ローラ「わたしぃ、剣とかはぁよくわからないんですがぁ、
    太刀筋?にぃ迷いがあるっていうかぁ、なんていうのかぁ。」
キャロライン「うん。スラーヴァらしくないんだよね。精細に欠けるっていうか。」

2人は顔を見合わせ、
「「会って話しを聞いてみよう(みましょ〜)」」
と、同時に言う。
少し笑いながら、スラーヴァの部屋へ向かう。

しかし、部屋には当のスラーヴァの姿は見当たらない。
シローが使っていた剣も見当たらない。
ローラ「どこかに出かけたんでしょうかぁ?」
キャロライン「でも、剣を持って出かけるのは、スラーヴァはしないでしょ?
       探してみようよ!」
と言って走り出そうとするが、ローラはそれを止める。
ローラ「キャロラインちゃんはぁ、シローさんのところにぃ行ってもらえますか?
    もしかしたらぁ、部屋にぃ行ってるだけかもしれませんからぁ。」
キャロライン「え?!う、うん、わかった。
       (うう、一人で男の人の部屋に行くのかー……緊張するよ〜(>_<))」
しぶしぶシローの部屋へ向かう。

ローラ(う〜ん……スラーヴァどこだろう?)
ローラもスラーヴァを探し、外へと向かった……
E-No.344
E-No.1202

その時……
シロー キャロラインが部屋を訪ねた時、シローの姿もまたそこには無かった。
E-No.2546
やっぱり迷子に
キャロライン 「あれ?お出かけしてるんだ。」

……

「取り敢えず、ローラを探していってみよう。」

15分後……

「あれ? ここどこだろう?」

キャロライン迷子決定。

奇跡は起こるか!?
E-No.1202
一方ローラは
ローラ (あ、キャロラインちゃん、迷子にぃなってしまうのを〜、忘れてましたぁ^^;)

予想通り迷子になっているキャロラインをよそに、雨の降る街を歩いていた。

(剣がぁ無かった、って言う事はぁ、剣のぉ練習……でしょうかぁ?
なら〜、人目のつかない〜広場?
それともぉ、もとのぉ剣の持ち主さんのぉ所でしょうかぁ?)

「む〜……」

(まずはぁ……)

街外れの広場に入ってみる事にした。
E-No.344
その頃……
スラーヴァ ――フロースパー郊外の共同墓地。
雨が降りしきる中、剣を手にずぶ濡れで立ち尽くすスラーヴァ。

彼の前には、まだ幾分か新しさを残す墓石。
友は今、ここで永遠の眠りへとついている。

「すまない……グレン。
 君は、俺を信じてこれを託してくれたのにな……」

――雨足は徐々に勢いを増してきたが、それでも彼は動こうとしない。

「俺は無力だ……昔も、今も……誰一人、救えなかった……」
E-No.633
そこへ
ヴィヴィオ そんなスラーヴァの隣りに、雨よけのコートを羽織った小さな人影が並んだ。
ヴィヴィオである。
右手には酒瓶を持ち、左手には傘を担いでいる。
真っ直ぐ墓石を見据えたまま、独り言を語り出す。

「よう、グレン。一度も墓参りにこねぇですまなかったな。
 土産を持ってきたから許してくれや」

そう言って、酒瓶を軽く掲げてみせる。
そして苦笑を浮かべながら、

「けど、俺ぁ、お前が好きなモンも嫌いなモンも、知らねぇんだよなぁ。
 もっとお前と話しておけばよかったと思うこともあるが……
 ……俺達には、時間がなかったからな」

少しだけ寂しそうに微笑むと、酒瓶の栓を開けて、墓の前に供える。

「でも、今はそうじゃねぇ。
 呆れるくらい退屈な、でも心休まる時間ってのもできるようになったんだ。
 ……俺らも、少しは余裕がでてきたってことなのかね。

 だから、今日何があったとか、明日何をしようとか、人参食えとか、
 ホントにどうでもいいことを話す時間ももてるようになった。
 ……なのに、本当に言わなくちゃいけねぇことを、言わねぇヤツがいるんだわ」

視線は墓石に向けたまま、大げさにため息を吐いてみせる。

「グレンも良く知ってると思うけどな。
 あいつ、真面目で真っ直ぐで、良いヤツなんだが、融通の利かねぇところがある。
 悩んでますよ、って顔に出てても、笑って溜め込んで何も言わねぇんだ。
 おかげで、みんな心配しちまってよ。
 お人好しばっかりだからな、今度の仲間は。

 ……きっと今頃、うちのうるさいのが2人ほど、探してるんだろうな。
 こいつらがまた、危なっかしくてなぁ。
 でも、いっつも笑ってるようなイメージしかねぇんだわ。
 危ない事だってあるんだけどな」

そこで言葉を切ると、スラーヴァに向き直り、その目をじっと見つめて、続ける。

「それだけ、誰かのことを信頼してるってことなんじゃねぇかな」

様子を窺うような、それでいて何かを突きつけるような視線。
長い沈黙のあと、ヴィヴィオは傘を開いて、スラーヴァに差し出した。

「昔、何があったかなんて知らねぇけどよ。
 お前、一人で抱え込みすぎなんだよ。
 話してみれば、なんだそりゃって笑えるようなことも含めてな。
 ……おら、帰るぞ」

ぶっきらぼうなその言葉に、どこか照れた様子が滲む。
E-No.2549
“空白の真実”
スラーヴァ ――ヴィヴィオの視線、そして言葉。
それらを受け止めて、少しずつ。心に光が差してくる。
しかし……それでもなお、彼の手の中の剣はずしりと重い。

「……谷底へと落ちた、あの時。
 少しの間、俺は意識を失っていたらしい……。
 それはほんの数分のことだったのだろうけれど、
 色々なものが見えた……いや、思い出したんだ」

一度言葉を区切り、少しだけ迷った後さらに続ける。

「俺の身代わりになって死んでいった人のこと、
 大切なものが、目の前で失われていくのをただ見ていた記憶、
 そして……成す術がなかったグレンの死。
 彼らに今も、何一つ酬いることができない自分の無力が許せなかった……」

伏目がちだった視線を上げ、ヴィヴィオの顔を真っ直ぐに見る。

「……あがいているつもりで、実は閉じこもっていただけなのかもしれないな……俺は。
 たぶん……答えはすぐそばにあったんだ……」

こう言うと、彼はこの日初めて少し笑った。
E-No.633
奇跡(?)の遭遇―キャロライン、グレンに仲間を語る
キャロライン 2人の後ろの方から、雨音に混じって足音が近づいてくる。
(う〜、どうして墓地になんかに出ちゃったんだろう?恐いよ〜><;)
ピンク色の傘をさし、きょろきょろとあたりを見渡しながら歩く少女が現れた。
キャロラインだ。

「あれ?スラーヴァとヴィヴィオくんだ!
(ローラを探してたら本命発見!わ〜い!)」

2人を見つけ、嬉しそうに駆け寄って来る。

「よかった〜。私、スラーヴァのこと、探してたんですよ〜。
 ……あれ?このお墓は?」

墓石を見ると”グレン・ピッツバーグ”と刻まれている。

「あ……亡くなられたお2人の仲間のお墓なんですね。
 私も、お祈りさせてもらって良いですか?」
グレンに対し、目を閉じ祈りを捧げる。


「初めまして。私、キャロラインと言います。
 後ろの2人と一緒に冒険させてもらっています。
 ……と言っても、まだ足手まといかもしれませんが^^;
 冒険の度に2人には、いえ、仲間のみんなに、いつも助けてもらってばかりです。

 スラーヴァは、いつも私とローラを守るために、前で戦ってくれています。
 ローラは、方向音痴の私の側にいて、いつも手を引いてくれています。
 ヴィヴィオくんは、無愛想ながら、いつも私達に気を使ってくれています。
 シローさんは、ちょっと恐いですが、私達をいつも支えてくれています。

 本当に、みんなには感謝しきれません。
 私にとって、かけがえのない大切な仲間です。
 グレンさんも、そう思われていたんでしょうか?

 ……グレンさん。一緒に冒険する事は出来ませんでしたが、
 天国から貴方の大切な仲間を、そして私達を見守ってくれると嬉しいです。」

グレンへの祈りを終え、少し照れながらスラーヴァに向き直る。
「ねぇスラーヴァ?最近、何かに悩んでませんか?
 私とローラ、心配でスラーヴァの事、探してたんですよ。
 もしよければ、私にも話してもらえませんか?」
E-No.1202
剣と盾の誓い
スラーヴァ グレンの墓に祈りを捧げるキャロライン。
やがて振り返り、照れながら……でも、心配そうに自分に問い掛ける彼女の顔を見て。
スラーヴァは、穏やかに微笑する。

「ありがとう……でも、もういいんだ」

そう言うと、前へと進み出て再びグレンの墓と向かい合う。

「グレン……俺には、君のような力は無い。
 でも、そんな俺にも果たすべき役割があるんだ。
 大切な……暖かくて、明るくて……限りなく優しい人たち。
 彼らや彼女たちの盾となって、それを護り続けたい。
 きっと、君の夢からは外れてしまうだろうし、力不足かもしれない。
 それでも……俺にとっては人生を賭けるに値することだ。
 この剣で、力を貸してはくれないか。
 決して、君に恥じるような使い方はしない……魂に賭けて誓うよ」

一陣の風が、スラーヴァの傍らを吹きぬけていく。
静かで、それでいてどこか優しい……彼には、それがグレンの返事のようにも思えた。

「……ありがとう」

振り返り、キャロラインとヴィヴィオの顔を見る。
もう、スラーヴァの表情に迷いは無い。

「心配をかけたね。……帰ろうか」

手の中の剣。その重さはそのままに……しかし、亡き友との絆をはっきりと感じて。
スラーヴァは、かけがえのない仲間へと微笑みかけた。
そして、もう一度自らへと誓う。
この、笑顔を護るために。
自分は盾であり続けよう……魂の果てる、その時まで。
E-No.633
墓地の片隅で
シロー 蛇の目傘で雨を避けながら、彼らの様子を見ている。

「……どうやら、俺の出る幕はないようだな」

いつのまにか止んでいる雨に気付くと、傘を畳んで肩に乗せる。

「晴れてきたな……帰るか」

空を見上げると、そのまま振り返らずに墓地を後にした。
E-No.2546
光の射す方へ
キャロライン スラーヴァの誓いを聞き、ほっとした様に微笑む。
(よかった〜。悩み、吹っ切れたみたい。ヴィヴィオくんのおかげかな?)
隣にいるヴィヴィオを見て、また微笑む。

>「心配をかけたね。……帰ろうか」
スラーヴァの声に頷き、空を見上げる。
「あ!晴れて来ましたね〜。ほら!」
見上げると、雲間から光がこぼれている。
(まるで、スラーヴァの心を移しているみたい)
少し眩しそうに空を見上げ、目を細める。

「急いで帰りましょう。スラーヴァ、濡れたままだと風邪ひいちゃいますから^^」
と言って、太陽の出ている方へ歩き出す。しかし……
「キャロライン。そっちは反対方向だよ。こっちだ。」
間違いをスラーヴァに指摘される。
「あ、あはははは……^^;」
照れ隠しに笑うしかないキャロラインであった。
E-No.1202
一方その頃……
ローラ 〜広場〜

「あう〜、いませんねぇ。」
ローラは、一人違うところを探していた。
「ならぁ、お墓へ〜……って、どこだっけぇ?」
懐から地図を取りだし、場所を確認する。しかし……
「雨で濡れちゃってぇ、見れなくなってますぅ(つ-T)」
服を見ると、インクで黒くなっていた。
「あうあう><;」

ローラ、初めての迷子……
E-No.344
シロー、迷子を確保
シロー 途方に暮れているローラを見つけて。

「……何やってんだ、こんな所で」

今までの事情を説明する彼女に対し、そっけなく言葉を返す。

「そうか。とりあえず帰るぞ」

「え?だって、スラーヴァがぁ……」

「いいから帰るぞ。奴もそのうち戻るだろ」

納得のいかない表情のローラを引っ張りつつ、宿の方向へ歩いていく。
E-No.2546